本稿では日本のことわざの形式と表現技法について注目し、それをどのようにして文學敎育に取り入れるかについて考察して見た。
ことわざの形式を分析してみると, 響きの良い詩的な要素を持つものが殆んどで, 口誦文藝であるがゆえ簡潔な表現が多い。なお, その國の傳統詩歌の韻律と密接に關わっていることが分かった。そこで日本の傳統詩歌を紹介するときはことわざの形式を適用すると、無理なく和歌·俳句·川柳·短歌のような定型詩歌の說明が可能であると考えられ, その敎授方法について一つの試案を試みた。
また、日本のことわざの表現法を分析すると、文学敎育で重視する多くのレトリックが動員されていることがわかる。昔の人々は自分の意思を相手に生き生きと効果的に伝達するために、多くのレトリックを考案し使用した。対照、反復、比喩、逆説、誇張などがそれであるが、特に、ことわざのようなレトリックが多く使用されていることがわかる。文学教材を利用して、レトリックを理解させることも重要だが、ことわざの中のレトリックのメカニズムを理解すれば、日常生活でも、より具体的で感覚的に表現することができる能力を持つようになると思われる。
昔から意思疏通をするときに、効率的な機能を担ってきたことわざは、言語表現の武器であり、言語芸術の総体であるため、十分な利用価値がある。表現力だけでなく、コミュニケーション能力まで培養させることができるのことわざを、文学教育にどのように取り入れるか、より一層関心を傾けなければならないだろう。