鄭人澤の<改作小説>は発表の時期によって時勢の成行きと密接に関係しているようである。これら<改作小説>の大抵は'日本語作品活動の普及'と'文学活動による国策の宣伝'、それに、'内鮮一体'、'皇民化'に力点が注がれた内容が主流をなしている。特に、女性の積極的な'愛国組'活動を目立たせることで、後方女性の人力の利用方案と效果的な女性中心の愛国班活動を暗示させることで、戦時下、女性の活動の方向を示唆している。後方国民の望ましい心得事項と行動は、老弱者でも例外できないということを、ストーリを通じて説いている。戦争がクライマックスに行詰まるにつれて、時勢の成行きは色濃くなる。例えばストーリが、徴兵を進むことより、戦争に直接参加して戦死することを英雄化する一方、死後に神社に祀られて神様になる栄誉を暗示させ、朝鮮の青年たちを戦争に参戦させよう目的性がとても鮮明に又は一次元的に描写されているといえよう。
韓国文学史で稀な<改作小説>の量産は、日帝末期の状況の成し得た結果物であろう。時勢が日増しに緊迫に迫るにつれて提示された小説の主題と用語は、鄭人澤を含め、日本の帝国主義に追随した朝鮮文人たちに、相当の重荷になったはずであろう。作品を新たに構想する余裕すらないうちに、小説を書くべき、いや、発表の作品数も問題になった植民地の朝鮮作家の立場で、日本語の作品活動を続けなければならなかったといえよう。だから志に随えなかった、すでに発表した作品に題目を変え、時勢と発表紙を異にして、再発表する形をとっている。<改作小説>の裏にはこのような植民地の朝鮮作家の苦悩があったのは、決して見逃すことの出来ないのであろう。