明治、大正、昭和、平成の文学作品について、「可能動詞」「可能の助動詞レル·ラレル」「コトガデキル」における「能力可能」「状況可能」「許容可能」の意味変化の推移について調べてみた。その結果、「可能動詞」における「能力可能」はプラス方向からマイナス方向に移り、「状況可能」はマイナス方向からプラス方向に移っていた。「可能の助動詞」「コトガデキル」における「能力可能」はマイナス方向からプラス方向に移り、「状況可能」はプラス方向からマイナス方向に移っていた。ということは、時代とともに、「可能動詞」における「能力可能」の出現率が低くなり、「状況可能」「許容可能」の出現率は上がっているということになる。また、「レル·ラレル」「コトガデキル」における「能力可能」「許容可能」の出現率が高くなり、「状況可能」の出現率は下がっているということになる。いずれも時代とともに、「許容可能」の出現率が上がっていることが分かった。