本稿は日本社會に全般的に民主的なエネルギーが充滿していた大正デモクラシーという時代的な背景の下で植民地の韓國に移住した移住民出身の詩人·作家らのテクストを對象として、移住という現實とそこから體得された鄕土性をキーワードとして彼等が表出した反ディアスポラ性の根源を考察してみようとしたものである。研究の結果、強制合併以後に韓国へ渡ってきた移住第2世代出身の詩人·作家達は先代が構築しておいた生活基盤と当時のデモクラディクな社会環境の下で幼少年期を過しながら、当地に住んでいた韓国人との出会いを通じて差別的な植民地の実情が理解できる郷土性を獲得し、これが彼等のテクストに現れている反ディアスポラ性へ連結されていることがわかった。そしてこのような反ディアスポラ性の表出は彼等にとって韓国という土地が母国の日本との関係性から解放された新しい郷土として受け入れられていたことを見せているといえる。