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復元模写 「源氏物語絵巻」に関する一考察 -女三宮の不在の意味-
김수미
일본어문학 vol. 55 111-128(18pages)
UCI I410-ECN-0102-2021-800-000696328

本稿は、近年行われた徳川·五島本「源氏物語絵巻」の全巻復元プロジエクトにより、従来「鈴虫(一)」の絵の画面で女三宮と認められた女性が、実は女三宮ではなく、女房の一人であるという意見が提示されたことに注目し、その絵の画面で、女三宮が登場しない理由について考察したものである。特に、本稿では『源氏物語』本文テキストと、「源氏物語絵巻」の絵詞、そして絵巻の絵を比較·検討する方法によって、絵巻に描かれた女三宮の像とその不在の意味を読み解いてみた。 まず、「鈴虫(一)」の詞書とそれに対応する『源氏物語』本文を比較してみると、物語本文に描かれた「鈴虫ーふり」という言葉の連鎖が絵巻の詞書には解除されることにより、女三宮を、源氏の愛憎の対象から遠ざけていることが確認された。また、「柏木(三)」の詞書には、源氏が女三宮に近寄り、詰難する物語本文の部分が削除され、あの柏木事件を想起させるような個所が消えていたのである。そのようなところで、「柏木(三)」の詞書と絵には、女三宮の代りに女房たちが描かれ、「鈴虫(一)」の絵にも女三宮の性格を代弁するような女房が描かれているのである。このように、絵巻においては、源氏の晩年の宿命を思わせるあの密通事件の問題を女房を通して、女三宮の状況を描いているのではなかろうか。以上の分析により、絵の画面に女三宮の姿を描かなかった理由は、あの「女三宮·柏木の事件」を想起させる対象から女三宮を回避させるためであると思われる。 さらに、そのような絵巻における密通の問題は、注文主·後援者とされる白河院と待賢門院という、この絵巻の制作層とも密接に関わっている問題であり、そういう事実により、「源氏物語絵巻」では、そのテーマと取り上げながらも、その中心になる人を回避させる方法をとっていると思われる。

一. はじめに
二.「鈴虫(一)」における女三宮の像
三.「鈴虫(一)」における詞書と物語本文
四.「柏木(三)」における詞書と物語本文
五. 結論ー女三宮の不在の意味
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