本稿は、筆者が2012年の1学期に担当したビジネス日本語(授業の正式名称は「実務日本語演習」)の授業で行った、自己主導学習としての演劇活動について述べたものである。中間考査終了後、クラスを5~6名のグループに分け、グループごとに学生自身が15分程でできる演劇(寸劇)のシナリオを作成して、台詞を暗記し、発表する。発表後にアンケート調査を実施し、調査結果を分析した。調査の結果、学生達が日本語の敬語の学習に役立つと考えていること、グループのメンバーと一緒にひとつの課題を成し遂げたことに関する達成感、満足感を感じていること、メンバーに対する感謝の気持ちが強いこと等がわかった。また、演劇活動の経験が日本語学習の動機付けや自信に繋がっていること等も明らかになった。