本稿では、1900年代から1920年代まで出版された日本語の文獻とそれの韓國語の對譯本(直譯本)を對象とし、日本語の受動表現が韓國語で飜譯される際、その飜譯の樣子そしてそこで表れる韓國語の受動表現の特徵について考察する。本稿で用いられる日本語と韓國語の受動表現の範圍について、日本語では統語的、意味的、形態的特徵を具える場合、韓國語では「이/히/리/기」の被動接尾辭、「되다」の助動詞、「받다,당하다」などの被動の意味を含む個別動詞、「-지다」の補助動詞を具える場合を受動表現として認めることにする。本稿を通じて明らかになった点は、次のようである。ま差、動作主體を表す助詞として、「に」、「によって」、「から」がみられる。「によって」の場合、「によりて」「によって」「に依って」などの異表記がみられ、各各の使い方は動作主體の特徵によって違ってくる。「に」の場合、無情物と組み合わす際飜譯上「으로」がみられるが、これは自然現象の「で」と關わりがある。次は、受動詞に對應する韓國語の受動詞の特徵についてである。韓國語「되다」被動に對應する日本語は「漢字名詞+される」ではなく和語動詞である。「당하다」「듣다」の場合は動作主體と被動作主體兩方とも有情物である。また「받다」の場合、不自然な韓國語で飜譯される文があるが、これは日本語の無理な飜譯によるものである。最後、日本語の受動表現に對應する能動表現の韓國語があるが、これは視点の差であると思い、韓國語では動作主體の有情物を主役として表そうとする傾向があることがわかる。