芥川とゴッホの出會いのきっかけは、一枚の複製畵に目を奪われる、ふとしたことから始まったが、一枚のゴッホの繪畵の偶然による發見が再びゴッホへの關心を喚起したと見える。そしてゴッホが外部にある存在ではなく、自分の一部であるような實感が深まっていくのがわかる。彼らは<精神的に苦しめられないように>そして<心の平和と信心を取り태すため>に全力を盡くして作品を作ろうとしたのである。彼らにとって作品を作ることは救援のようなもので、一つの求道行爲として信じていたのである。自分の作品を通してだけ生き殘ることを望んでいた二人は、自分の創造的狂氣をしずめるために絶えず作品を作ることによって正常的な狀態を取り태そうとしたのである。このように彼らにとって作品は、彼らの安定を損なう同時に彼らを守ってくれる兩面性を持っていることがわかる。自分の作品を通して後代に話しかけたいことを望んでいた二人は、平凡な作家としてのまともな人間よりは自分を殺しても滿たそうとしたひどい渴きの中で作り續けた結果、彼らの作品は、自分の分身として生まれ變わって人人の心の中に生きていることによって彼は永遠の生命を得たと思う。