宮本百合子は囚人であった夫、顯治の世話をしながら不屈の抵抗姿勢で最後まで轉向しなかったプロレタリア作家として廣く知られている。しかし、一方では社會·文化およびジェンダ―·イシュ―にも深い關心を持ち、軍國主義に對する批判と社會に對する渴望を訴える先驅的な文章を多く書いた。本稿では『播州平野』と『風知草』を中心に、戰爭と女性の關係性に對して考察を行った。まず、百合子が自分の社會主義思想の受容過程を描いた『二つの庭』のヒロイン、伸子を通じて、女性も男性と同等の社會參加が可能であるという考えから、社會主義に全面的に共感することになったことが分かる。『播州平野』の「後家町」と『風知草』の「後家のがんばり」というキ―ワ―ドからは、男性不在で崩壞した家庭環境で家長の役割を擔い、懸命に生きてきた夫人の姿が、歸ってきた夫の目には「後家のがんばり」としか映らない社會の固定化された女性の立場を明らかにしている。さらに一步進んで、戰爭で苦痛を受ける女性の殘酷さを訴え、變化する社會の環境要因に伴う女性の自立を絶えず追求していることも分かる。また、結果的に百合子は、ヒロインのひろ子を通じて、軍國主義の支配と侵略戰爭による荒廢が、國民に如何に多くの犧牲を强いているかを明らかにしている。それによって特に、男性に依存して受動的な人生を營んできた女性の自立の必要性と重要性を悟らせている。