本稿は、1997年から2004年まで8年間、『現代用語の基礎知識』に揭載されている「若者用語」を對象として、若者言葉の語種別·形態的な造語の傾向、消長の關係、さらに、それぞれの若者言葉の分野別の特徵などについて考察したものである。まず、若者言葉の語種別の造語においては、和語と外來語の數が多數を占めているのに對し、漢語の數が少なく、形態別な造語では、單なる和語、漢語、外來語を使うより、これらを組み合わせた形である混種語の使用が目立っている。そして、語の消長については、8年のうち、最初の1年だけ見られる若者言葉の全體的な變化は大きくないが、「ファッション、食、性風俗、人間觀察」の分野での言葉は新しい言葉が生成されつつあるのに對し、「精神狀態、いらだち、あいまい」の分野の言葉はそれほど生成されていない。そして、5年間、連續して見られた「精神狀態、いらだち、あいまい」の分野での消長の程度は緩慢であり、8年間、連續して見られた言葉は、長期間にわたって使用される語ほど、若者言葉、流行語というラベルを貼るのが難しくなってくるのである。また、九つの分野別の特徵については、「ファッション」の分野の語の消長が最も活發で、8年間連續して見られた語もないのが目立ち、色を表す形容詞を利用した語が一番多い。「食」の分野では、「靜的名詞+る」形態が最も多く、店の名を利用した語や、飮酒とタバコと關わる語が多い。そして「性風俗」の分野は一般語の利用より、隱語、俗語を利用したマイナス的な表現の造語が多く、「遊び」の分野はメ-ルや携帶電話、車、遊び場所に關わる語が、「行動」は名詞に「する」「る」をつけた動作性名詞と、問題の行動を表す語の使用が多い。さらに、「精神狀態」の分野では、語の形態的な變化はほとんどなく、旣存の語を利用した造語が多い。「いらだち」は、形容詞に否定的な意味を與えた造語が多く、自分の氣持ちをうまく表現できない若者のため、「あいまいな」表現が多い。「人間關係」の分野では、有名な芸能人の行動を眞似する人を表す語や人の外見をマイナス的に表現する語が多いのが特徵的であることが分かった。