本硏究では、韓國人日本語學習者が日本語音節鼻音をどのように生成し、どのように産出されているのかについて音響的特徵からその傾向と實態を檢討した。その結果は以下のようにまとめられる。(1)持續時間の長短 ①韓日兩言語母語話者は共に各單語に對するモ―ラ間の持續時間は互いに調整しているものの、各モ―ラ間の長さは必ずしも等時間ではないことが明らかになった。(2)日本語の音節末鼻音のうち、第2モ―ラ目の/ŋ/と韓國語のバッチム``ㅇ``の場合は他の鼻音の組み合わせ(/ŋ/と``ㄴ``, /m/と``ㅁ``)よりも全體持續時間が相對的に長いことが確認できた。③韓國語話者は日本語話者とは異なり、2音節語の場合、語末に鼻音が含まれている第2音節目よりも、語中に鼻音が含まれている第1音節目の方が相對的に長く發音された。この結果は日本語を習う學習者において語末の鼻音より語中の鼻音を生成·産出するのに負擔がかかり、それが持續時間に反映されたものと考えられる。(2)鼻音のフォルマント ①低帶域フォルマントの場合は韓日兩言語母語話者共に類似した傾向が觀察された。男性話者は約200Hz付近に、女性話者は約280Hz付近に低帶域フォルマントが現れた。この点から、低帶域フォルマント區間は男女差が反映されるものと言える。本實驗の結果からは、アンチフォルマントと各鼻音の調音位置との相關性については十分に明かされていない。よって今後は先行または後行する母音のフォルマントの遷移區間に注目して更なる檢討をしていきたいと思う。